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2021年1月14日木曜日

住宅ローンは、フルローン・35年・借入総額をできるだけ大きく、かなと。

何年か前に、賃貸がいいのか、それとも購入がいいのかという記事を書きました。基本路線は購入で、ただし条件は投資であることが大事かなと思っているわけでして、現状も変わりません。

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賃貸か持ち家か、答えは持ち家がレバレッジを効かせた投資か消費かによりそう
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2021年、新型コロナもなかなかおさまらない中、面白い記事を見つけました。とりあえず買う場合を想定していますが、思っていた考えとは逆の視点でした。住宅ローンはできるだけ小さく、短く、無理なくということで、しかもこの方が「貯まる人」だということです。どう考えたらいいだろうかと思った次第です。

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住宅ローンの組み方でわかる!貯まる人・貯まらない人
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確かに、自宅購入が「消費」であるのならば、安く買った方がいいと思います。一方で、自宅購入に投資的な意味を見出そうとするのならば、借金はできるだけした方がいいと思います。そして、お金が「貯まる人」は、消費タイプではなく、投資タイプです。それも、事業家タイプの本格的な投資ではなく(それはリスクが大きいので)、自宅ぐらいは投資で買ってもいいというぐらいの中庸なリスク許容タイプが該当します。

特に現状では、住宅ローンの金利は1%を大きく割り込み、一方で住宅ローン控除は1%を維持しています。利子はしばらくの間ノシをつけて戻ってきます。この時に、借りられるのに借りないという手は理解が難しいところです。

おそらく、自宅購入が消費か投資かという区分に関連して重要になるのは、フルローンをしたとして、手元に残ったお金をどうするのかということです(そもそも手元にお金がなければ、フルローンするしかないので、この場合はそんなに気にすることもないですが)。残ったお金を、万が一に備えてタンス預金したり、あるいは生活費の一部として消費して使ってしまうとすれば、ちょっともったいないところではあります。この場合には、あえて頭金として支払ってしまうことで手元の残高を減らし、消費行動が取れないように自らを縛るという手はありえます。

しかし、基本的に投資タイプの場合には、このようなタンス預金や消費してしまうという選択肢はあまりとらないのではないかと思います。すなわち、使わずに残ったお金は、それこそ投資資金となるということです。元来、借金はレバレッジをかけているわけでもあります。住宅を投資とみなすのみならず、その際に使わずに済んだ手元資金こそ投資することによって、真に投資が可能になります。

極端な話、手元に3000万円あるとして、3000万円の住宅を現金で買えば、不動産が3000万円となるだけです。右から左にお金が動いただけです(図左)。これに対して、3000万円あっても3000万円借りることで住宅を購入すれば、3000万円も手元に残り、一時的に資産は6000万円となります(図右)。

6000万円の資産のうち、借りた3000万円は、しばらくの間実質金利はゼロか、少し戻ってきさえします。さらに、残った3000万円を債権やあるいはETFなどに投資すれば、リスクは押さえながらもさらに利子を期待することができるようになります。仮にその利子が3%でもあれば、借金の年間返済額にほぼ充当することができます。

35年後にどうなるかというと、現金で不動産を買った場合には、不動産が残るだけですが、借金した場合には、不動産とともに、元手だった3000万円がほぼそのまま残る(そして利子を出し続ける)ことになるでしょう。万が一、低リスク金融商品が毀損していたとしても(もちろんこの選択肢は、ランダムウォークを信じる限り低確率ですが)、それは単に不動産だけが残った、ということになるだけです。どちらが得かは、ほぼ明らかのように思います。



結局のところ、お金が貯まる人かどうかは、住宅ローンの組み方で決まるのではなく、その前の段階、つまり、住宅の購入を消費とみなしているのか、それとも投資とみなしているのかによって先に決まっているように感じます。繰り返しですが、もっともお金が貯まるのは、住宅の購入を投資とみなしている場合です。そうではなく消費とみなしている場合には、次善の策として、借入総額を小さくし、すなわち手元に残すお金を小さくすることによって、消費行動が大きくなってしまわないように禁欲するという選択肢がでてくると考えられそうです。