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2023年10月8日日曜日

お金がなければ借りることはできない?

そういえば思い出したことがある。子供の頃見ていたテレビ番組で、ざこば師匠が怒って話をしていた。銀行に3,000万円とか借りに行ったと。そうすると向こうの担当が、「師匠、3,000万円貯金してください。そしたら3,000万円貸します」と言ったという。ふざけるな、「3,000万ないから借りに来てるんや!」というわけである。

当時、それはそうだな(もちろん笑い話のネタである)と思った記憶がある。理由も金額ももう定かではなくなったけれど、お金はないから借りるのであって、あれば借りなくてもいいーー

しかし今となっては、この認識が間違っていたことがわかる。お金がない時にお金を借りるのはジリ貧のリスクがある。王道は、お金がある時に借りるのである。3,000万円ある上で3,000万借りれば、相手も損するリスクは少ないし、こちらも返せないリスクは減る(これはある意味形式的)。そして重要なこととして、こちらは、実質6,000万円を動かせることになる(これが本丸)。

ファイナスの授業でも、似た話を昔聞いた。お金がない時には、当然そのお金を埋めねばならない。一方で、お金が余っている時には、そのお金を使わねばならない(残すのは機会損失ととなる)。忘れがちなのは、余っている時にどうするかと言うことである。ない時に借りると言う発想は自然だが、ある時にこそが重要であり、借りる意義も高まる。

個人ではなかなかここまではできないかもしれない。お金がある時に借りてレバレッジをかけるのは、基本的に企業がなせる技だろう。とはいえ参考になることもある。

2023年9月28日木曜日

新NISA(2024-)に向けて

 2024年からNISAの制度が変わる。これ自体はすでに周知の事実であり、年間最大360万円まで、5年間で最大1800万円枠となる。具体的な取り扱い商品も各証券会社や銀行で充実している(とはいえ、新しいものを買う必要性はほとんどなく、基本で十分である)。少し備忘録。

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新しいNISAのポイント(金融庁)

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改めてみてみると、いくつか当初にははっきりしていなかったり、個人的に間違って理解していたところがあった。

1。年齢制限がある

ジュニアNISAが廃止になることは知っていたが、その意味は年齢制限がなくなったということだと理解していた。しかしながら、年齢制限は残っており、18歳以上しか新NISAを行うことはできない。家族が多い方が有利という話も当初はあったように思うが、そういうわけではなくなったようだ。少子化対策と結びつければ良かったようにも感じられる。

ちなみに、その分以前のジュニアNISAは、18歳まで継続管理勘定に移管され、非課税で保有できるらしい。途中で払い出すこともできるが、一部を払い出すことはできず、全てを払い出して口座を閉じる必要がある(例えば、auカブコム証券の説明)

2。旧NISAは1年ずつ終わっていく

新NISAは旧NISAとは異なるものとして認識され、移管することはできない。したがって、旧NISAもしばらく並存することになる。と同時に、旧NISA(一般)であれば、5年ごとに終了(以前であれば、改めてロールオーバーできた)していく。例えば、2023年末において、2019年に購入したNISAは「満期」となる。旧NISA(つみたて)の方は20年であるので、「満期」はだいぶ先である。

「満期」後は、払い出すか、一般・特定口座に移管される。払い出しを選んだ場合は、例えば、改めて2024年の新NISA購入の資金となる。120万円の旧NISA枠(一般)をいっぱいに持っていたとすれば、これを払い出した場合(利益は考えず)、2024年の新NISAに必要な最大新規資金は360-120で240万円となる。移管する場合は、別途買い増すような形になる。360万円が新たに必要となる。

3。「非課税保有限度額」(1800万円)について、「枠の再利用が可能」

ここはよくわからないので、間違っているかもしれないが、5年通算枠ということであるように思われる。マネックス証券の説明では、「したがって、売却をした翌年になれば、復活した枠を再利用して新NISAでの買付を行うことが出来ます」とある。ただし年間投資枠の上限はもちろん変わらず、360万円である。

旧NISAの場合、5年ごとの更新であったため、年の縛りがあった。例えば、2019年に120万円購入し、2020年にさらに120万円を購入し、その2020年の120万円をすぐに売却した場合、2019年の5年後、2024年に新たに生まれる120万枠は2019年のロールオーバーで使用されてしまい、2020年分の120万円枠を実質的に使うためには2025年まで待つ必要があった。これに対して、新NISAでは、5年の縛りはなくなり、無期限となった。このルールが意味を持つのは、2028年(5年後、1800万円枠がいっぱいになってから)ということになるが、いつ買ったかにかかわらず、翌年には360万までの再購入枠が復活する。例えば、2028年に購入した360万円を年内に売却した場合でも、2029年には、改めて360万円が購入可能となる。フルで使用しない場合にはそれほど問題ではないが、フルで利用するという場合には有用なルールである。

4。結局どうすればよいのか?

 1800万円をフルに使ったとして、もしインカムゲインを考えるのであれば、年4%でみれば72万円、通常であればここから約20%の14万円程度が税金で引かれるはずであった。この税金が非課税となる。これを大きいとみるか、それほどでもないと感じるかは人によるかもしれない。キャピタルゲインや細かい売買を考える場合には、より多くのメリットがあるかもしれない。

 基本戦略はこれまでと変わらず、安定的なものを積み立てていくということになるだろう。




2023年7月3日月曜日

大航海時代originで遊ぶ

このところ、大航海時代originをしている。大航海時代Ⅱのリニューアル版であり、韓国メーカーによって製作、運営されている。コーエーが本来はがんばるべきところだが、既に日本のゲームメーカーに同様の力はないだろう。コンテンツそのものが優れているのだから、特定の開発に特化するか、あるいはIP戦略をとることは理にかなっている。

ということで、このゲームはよくできている。そんなに日本で人気が出るとは思わないし、もともと大航海時代Ⅱもそんなに当時人気だったとは思わない。それでも、個人的にフィットしているという感覚はある。しかもこの大航海時代originは、原作を忠実にアップデートしている。ストーリーや設定はもちろん、音楽も一部再現されており、驚くべきクオリティだと思う。

近年では、ゲームのリニューアルは定番的な開発戦略の一つである。考えてみれば、最近の音楽番組なども、昔の音楽を現在の音楽と合わせて流している。様々な分野において、コンテンツが蓄積され、充実しているということの証左だろう。過去のコンテンツは、消費されて消えていくわけではなく、いつでも利用可能な形で残されている。そしてもう一つ、重要なことは、少子高齢化が着実に進んでいるということだろう。ゲームのリニューアルも昔の音楽も、懐かしみ、楽しむのは高齢者である。若い人々も、それを新しいと感じ、受容することもあろうだろう。しかし、それは副次的な効果であるように思われる。



課金しなくても十分遊べる。ようやく、日本に到達した。ジョアン・フェレロの冒険も終盤である。