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2020年6月6日土曜日

損切りしてはいけないと思う

COVID-19、新型コロナの問題は継続しているが、このところずっと思っていたことの一つに、損切りすることの是非がある。当然市場が右下がりになればショートでなければ損もでる。途中で見切って売り逃げることは重要かもしれない。しかし、100万円で買った株の株価が50万円になったところで、そのままであればあくまで含み損というだけである。いずれ100万円に戻る日があれば、損はなくなることになる。ところが、損切りする場合には、50万円の損が確定する。その是非である。

多くの書籍やサイトを見ると、損切りはした方がいいという前提で書かれているように思う。具体的にどのレベルで損切りするのか、明確にルールを持っていた方がいいという指摘もある。だが繰り返して言えば、その理由はよくわからない。3つぐらいありえるだろうか。

1。もっと下がる前に処理するため。

確かに、損切りせずに持っておくことで、もっと下がってもっと損するかもしれない。倒産でもした日には価値はゼロになってしまう。この問題は、特にレバレッジをかけている場合には大きいかもしれない。しかし、逆も然りである。損切りを推奨する場合には、どこかでまた上がるかもしれない、という楽観的希望こそが問題であるとされる。本当なのかどうかはわからない。ランダム・ウォーカーを前提とすれば、この後もっと下がるのか、それとも上がるのかは、通常は等しくわからない。

2。次にお金を回すため。

この指摘はよくわかる。50万円でも早く回収することで、もっと有望な案件にそのお金を回すことができる。下がる確率が高い株よりも、上がる確率が高い株に回した方がいいことは間違いない。だが、それがわかるかどうかはまた別の問題であろう。合わせて、もう一つ大きな問題として、そこまで資金に余裕がない状態というのはどうなのだろうか。有望な案件があれば、それはそれで投資しておいたらいいのではないか。そのぐらいの余裕資金を取り分けておいた方が安心感も増す。

3。損益通算の税金計算のため。

この指摘もよくわかる。損出しして買い戻せば、株そのものはもったまま、損を株式上は消すとともに、別の利益と相殺することで税金(通常は20%であろうか)を減らすことができる。ただ、この方法もいつも少し思うのは、税金の確定を後ろに繰り下げただけであり、損そのものは出てしまっているのだから、損切りそのものを強く肯定するわけでもないように感じる。

おそらく、こうした理由が混ざっているのだろう。だが、もしデイトレーダーのように生活をかけているわけでもないのならば、2番目のお金の利用効率はそこまで気にならないのではないか。余裕資金の中で動かしている限り、そこまで効率性を重視しなくてもいい。3番についても、損自体がなくなるわけではないとすれば、そこまで必死に考える必要もない。年末に少し調整すればいい程度である。

特に心理的に不安を作り出す要素であろう1番の問題は、もっと下がるかもしれないという発想そのものを無効にできるアイデアに乗っておけばよい。つまり、インデックス投資やパッシブ投資である。これらは損切りする必要が、投資会社が倒産したり撤退するリスクを横におけば、いよいよない。