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2022年2月15日火曜日

今は「市場全体を買う式」は至難か?

コロナ禍を経たテーパリングが始まりつつある今日この頃。株価の乱高下に合わせて、興味深い記事を見つけたので少しメモしておく。

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心では一刻も早くインフレの息の根を止める必要があると思っているけれど市場が荒れているので強いメッセージを出せないFRB
SBI証券、2022/1/28
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アメリカではインフレが実際に進んでいるとして、FOMCが利上げとバランスシートの圧縮を始めようとしているというわけである。この対策を警戒する市場は、このところ株価の乱高下が続いており、直近はかなりの下落傾向にある。そして逆に、この市場の乱高下をみるにつけ、FOMCやFRBは強い対応を打ち出せなくなってしまっている。板挟みになっている状態であろうか。

現実としてそのような認識は多くの記事で見かけるとして、興味深いのは最後のオチである。

「いまは「市場全体を買う!」式の、怠惰なアプローチで投資しても儲けることは至難の業です。」

いうまでもなく、「市場全体を買う!」式とは、インデックス投資を示しているだろう。今は、インデックス投資ではダメだという。なぜならば、上記に見たような状況だからである。

本来、インデックス投資は、市場環境が不確実で株価はランダムウォークであるがゆえに、結果的に有効になるのであった。インデックス投資が有効にならない条件は、したがってその逆、未来が見える時である。利上げが進むことが確実であるとわかっているため、これに対して手を打っても良いということになる。

現状を不確実で不安定と見るのか、それとも確実で安定的と見るのか。正直最初の説明としては前者のように見えるが、この記事では、後者で見ていたということになる。それは多分にポジショントークともいえるが、見えている人には見えているというかもしれない。もっと言えば、この場合、去年の状況やさらにコロナ前の状況では、どのようにいうことが出来たのだろう。