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2022年12月6日火曜日

日経平均銘柄の利回りの向上について

 2022年になり、日経平均銘柄の利回りが向上している。この背景には、コロナ禍を経て米国の金利上昇に伴う円安の進行と、ウクライナ情勢をめぐる物価高騰があると思われる。両者はもちろん結びついており、インフレの進行としてまとめてしまうこともできる。

例えば、このところ乱高下を繰り返すようになった海運株の場合、日本郵船や商船三井は16%近い利回りであり、普通ではない。あるいは日本で高配当としてよく知られるJTにおいても、7%近い水準に達している。

もちろん、全ての銘柄の利回りが上昇しているわけではなく、ある種の二極化の傾向を見ることはできる。株価そのものも上がってしまえば、利回りは減少することにもなる。こちらも高配当を保ってきた銀行株などの場合、三菱グループは4%台を維持し、NTTは3%台前半である。両者の株価は比較的上がってきているようにみえる。

厚切りジェイソンよろしく、これまでは海外の株を買った方が安定的であったのだが、2022年はむしろ国内の株を買った方が良かったということかもしれない。特に為替の影響を考えると、その傾向は強まるだろう。

この場合、例えばETFとしてありえるのは、NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信や50連動型上場投信であろう。70の方は4%、50の方は5%に達している。ちなみに、日経平均まるまるということだと、2%前後というところになる。配当生活を目指すという意味では悪くない。

気になるのは今後であろう。インフレの進行が終わるか、あるいは日経平均そのものの下落というリスクは考えられる。これらもしかし、結びついているようにみえる。2022年、日経平均はほぼ横ばいか、ゆるやかに下落した。インフレなどの進行がプラスには作用しなかったということであろうし、これは世界的な傾向でもある。とすれば、インフレが終われば、日経平均は上昇するということにもなる。さらにインフレが続くとしても、日経平均はしばらくこの感じということになるだろう。