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2018年6月8日金曜日

賃貸か持ち家か、答えは持ち家がレバレッジを効かせた投資か消費かによりそう

<イメージ写真:ぱくたそ>

2008年ぐらいに都内で中古マンションを買いました。ほぼ全額、35年ローンをしまして、返せなくなったらどうしようかなと思ったりもしていました。当時の金利は1%を超えていました。とはいえ、返済額自体は、賃貸での月額よりも少し高くなった程度ではありました。

購入後、すぐにリーマンショックがやってきました。資産価値は2割以上一気に落ちました。あ、これはやってしまったかなと思いました。そしてさらに大きな地震もあり、特段大きな影響はなかったとはいえ、賃貸の方がよかったかもと思うことがありました。

しかし、それからしばらく経ち、資産価値は元に戻り、2014年ごろになると買い値を超えて上昇を始めました。先日引っ越しをしまして、賃貸に出すかどうか迷いましたが、マンションの方は売却してしまいました。買った時よりも価格は少し、上がっていました。税金を考えるとトントンというところではありました。

さて、賃貸か持ち家か、このテーマはウェブ上でも話題のテーマです。賃貸派は、家を買ってしまうことによる固定費のリスクを重く見ます。

「賃貸は家賃を捨てるだけ、持家は将来資産になる」はフェイクだった

持ち家派は、資産価値に加えて、しばしば精神的余裕を加えるようです。

賃貸vs持ち家論争、お金のプロは「持ち家が有利」と断定する理由

そして多くの場合、一長一短であることが語られるとともに、時間軸を長く取ると、どちらもだいたい同じコストになると考えられるようです。多分そうだろうと思います。

賃貸のメリットは「フレキシビリティ」 購入のメリットは「老後の安心」

が、この10年ぐらいの経験で腑に落ちたように感じるのは、「借金をする」ということの重要性でした。これは、すでに語られてきた「投資」の側面に強く関わっているように見えます。

「持ち家か賃貸か」論争に終止符をうつ、シンプルな結論

どのような理由であれ、資産を取得することは「投資」に該当するので、本来なら、投資案件として成功するのかが、すべての評価基準となる。一方、賃貸の場合には純粋な「消費」なので、支出に対して十分な効用が得られているかで判断するのがスジといえるだろう。

「賃貸」VS「持ち家」のくだらない論争はそろそろやめにしよう 「住宅購入」という名の危険な大バクチ

35年もの債務を負って家を買う、というのは投資の観点からみたら「実に危ない投資」と言わざるを得ない。なぜなら、この債務の支払い原資は、債務者(自分)の給料債権のみであり、家という「資産」が稼ぐ収益に基づくものではないからだ。これは通常の不動産投資と決定的に異なる点だ。

上の引用では、「投資」において「35年もの債務」が「実に危ない」とされるわけですが、この点がむしろ逆のように感じたわけです。確かに、借金は、しばしばネガティブな印象を持ちます。実は借金があるなどと言おうものならば、この人大丈夫かな?と思ってしまいがちです。ただその一方で、たとえば企業をみた場合、借金はむしろ資産の一つであり、「投資」の側面を強く持ちます。ソフトバンクが典型的なように、借金をしてそのお金で企業を買収し、そこの利益で借金を返しながらさらに次の借金と買収で企業は大きくなります。ようするに、借金をするというのは、投資資金を得るということであり、運用の可能性を持つということです。個人にとって、借金をして投資を行うということは、考えてみると住宅以外ではあまり選択肢がないように見えます。

住宅でも、こちらはむしろ先の引用で評価されている不動産投資をする方々は、この手の方法を利用します。借金をしてマンションを買う。そのマンションを賃貸に出し、賃貸収入と借金の利息を相殺させる。そしてそのマンションを資産としてさらに借金し(当然先の借金の担保でもあるのでできない場合もありますが)、同様の方法で複数のマンションを経営する不動産王を目指す。

「「資産」が稼ぐ収益」であることを評価される不動産投資ですが、個人である以上、当然ソフトバンクよりもリスクを背負うことになるようにみえます。そして、その手前、むしろ一件だけ自分たちが住むために借金をして、家を買うという場合には、この投資という点について非常にリスクが低いと考えられるのではと思ったわけです。

賃貸の場合、借金が生じることはあまりありません。したがって、一時的にお金を借り、そのお金を投資や運用するという場合には、別途家ではない何かに投資したり運用する必要があります。株、FX(それこそレバレッジができますね)、あるいは自分への投資?、なんでもいいですが、運用という場合にはリスクが別途生じています。これに対して、家を買うという場合には、借金が自宅に向けられます。

自宅の資産価値が下がれば、当然運用は失敗したということになります。借金を投資として増やすことはできなかった。しかしながら、それでも大事かなと思ったのは、現実的にはこれは運用に失敗したというよりは、単に賃貸と同じになったというだけではないかということでした。35年分の賃貸料を前借りして家を買った。借りた分、うまく運用して増やせるかと思ったけれど、増えなかったというわけです。引っ越せないリスクをこれに乗せてもいいですが、後述するように、それは途中から賃貸に回す、不動産投資化させることを念頭に置くことである程度回避できます。さらに、住宅購入の借金は、住宅ローン控除などいくつかの税制面での優遇もあります。その範囲であれば、当然リスクはさらに低くなります。

しばしば指摘される持ち家のメリットである資産の形成は、失敗することもあれば成功することもあると思います。なにより、郊外に家を買うという場合には、そもそも資産の形成にはならないでしょう。それは先の引用にあるとおり「賃貸の場合には純粋な「消費」」と同じように単に消費であり、どんなに借金しようとも、投資としての側面はほとんどないように感じます。その場合には、賃貸と同じ程度の意味か、厳密な計算をすれば、賃貸の方がいいのかもしれません。これに対して、都内であったり駅近くであるなど、資産の形成の可能性が少しでもありうるとするのならば、その場合には投資の側面が少しでも強められるという意味において、持ち家は賃貸よりも勝るように感じます。そしてこの場合には、引っ越せないリスクもまた、途中から賃貸に出すなどの選択肢によってある程度回避できるようになるはずです。

ちなみに、借金をしないで家を買うという選択肢も、人によってはあると思います。この場合は、しかし、持ち家は単に消費となってしまい、賃貸とほとんど変わらないように思います(不動産投資であるというのならばまた別ですが)。お金を不動産に変えてしまうわけですから大きな金額が流動性も下がり、デメリットの方が高くなります。そうであれば、あえて借金をして持ち家を買い、手元のお金は残したままで国債でも買った方がましでしょう(もちろん、より正確には、借金の金利と税金との兼ね合いではありますが)。

なんてことを考えていたわけですが、しかし借金には思いきりがいるものです。この辺りに迷いのない人々は、そのリスクを負う反面、不動産王や起業家としても成功していくのだろうなとも思う今日この頃でした。