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2012年5月24日木曜日

ドラゴンフライ エフェクト


ジェニファー・アーカー&アンディ・スミス『ドラゴンフライ エフェクト ソーシャルメディアで世界を変える』翔泳社、2011。 

タイトルがかっこいい一冊。トンボ効果ということらしい。 帯にもある通り、その意味は、トンボの羽よろしく、4つの羽の動きが揃ってはじめて、うまくいく。ちなみに4つとは、焦点を一つに絞る事、注目をうまく集める事、魅了する事、それから行動する事である。

ソーシャルメディア、社会変革、デザイン、それからビジネスといくつかのテーマが重なっており、全体としてうまく議論が出来上がっているかどうかはよくわからない。せっかくのタイトルからすれば、ソーシャルメディア→バタフライ・エフェクト「ジャンプ」ドラゴンフライ・エフェクトぐらいの設定をしても良かったように思う。そういう期待をもとに読んだ事も確かだが、関係ないようである。

バタフライ・エフェクトならば、複雑系の話としてよく知られている。北京で蝶が羽ばたく事で、ニューヨークで嵐が起こるというわけである(詳細はwikiにも載っている)。著者がこの効果を知らないはずはあるまい。ソーシャルメディアにせよ、社会変革にせよ、これらはバタフライ・エフェクトと密接に関わっているようにみえる。ビジネスも然りである。その上で、更にもう一つ、新しい蝶ではなくトンボである何かが見えればよかったのだが、と思う。

個別の事例はそれぞれ興味深い。著者はブランド論の大家、ディヴィッド・アーカーの娘らしい。そう思って読むのも面白いかもしれない。