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2012年5月6日日曜日

戦略サファリ


ヘンリー・ミンツバーグ、ブルース・アルストランド、ジョセフ・ランペル 齋藤嘉則・木村充・奥澤朋美・山口あけも訳 『戦略サファリ』東洋経済新報社、1999

戦略論の系譜をさくっとレビューする上では最適の一冊。 マーケティング論でいうと、すでに入手困難ではあるものの、、、『マーケティング理論への挑戦』と同じ感じの本です。これまでの戦略論を10個のスクールとしてまとめ、その流れや特徴を辞書的な形でわかりやすくまとめてあります。

まあここから明らかなことは、この本は、戦略論を研究したい人向けの本だということです。これでもって、明日の経営の指針が決まるわけではないでしょう。というか、この本に書かれているのは、そもそもそうした経営の指針を決めるということが、実はどんなに難しいことか、それがだんだんわかってきたのだ、という研究系譜の一覧表だと思います。

個人的に一番面白いと感じたのは、上記の構成によるところの、規範的と記述的の区分です。どうやら、研究のスタイルが、どうあるべきかを問う規範的アプローチから、実際どうあるのかを問う記述的アプローチへと力点が動いてきていること、それから同時に、とはいえ戦略論においては、規範的な帰結(いわゆる実践的示唆)が常に要請されるであろうこと、このことは、この先を期待させるに十分だと感じました。論文が書けそうなので、これ以上はひとまずカットしておきます。。。
(初掲載2005.01.26)

追記
この先に進めたのかどうか、改めて問い直した次第。。。