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2015年1月19日月曜日

音楽編 29と30

ちょうど僕が大学生になったかならないころ、奥田民生は「29」と「30」というアルバムを出している。彼自身が29歳、30歳になったという意味だったと思う。僕よりも10歳ぐらい年上だということになるが、なんというか、当時はそんな年齢を考えたこともなかった。奥田民生にしてみれば、服部の世代になったなぁということだったかもしれないし、確かに僕自身30代に数年前になった頃、なんというかちょっと年を取ったなぁという感じがあったことも確かだ。

 「29」や「30」では「息子」とか「人の息子」なんて曲が入っていて、そういえば「息子」自体は僕が高校生の頃に出た曲だった。カラオケで歌っていた記憶もあるが、考えてみれば変な話だ。自分の親にでもなった気分で歌わないとつじつまが合わない内容だった。

  「29」と「30」は、実際にその年になったときに改めて聞こうと思っていて、実際に聞いた記憶がある。そんなに前のことではないけれど、29歳のときには僕はもう東京に出てきていたし、結婚もしていたと思う。子どもはまだいなかったけれど、どうだろう、奥田民生も大体そんな感じだったのではないだろうか。もちろん比べられるような身分ではないが、まあ人生ってそういうものかなと思ったような記憶がある。

  人の息子は、確か進研ゼミのCMソングとして採用されていた。設定としてはよく分かる話で、進研ゼミで頑張っている人の息子を応援するというわけだ。この気持ちも当時の僕にはわからなかったけれど、まあ今ぐらいの年になれば、何となくわかることもある。しかし曲の内容は思い出せない。

  30ぐらいになると、自分よりも子供のことに興味が行くのかもしれない。年相応という感じではある。一方で、音楽という点で言えば、そうした変化を嫌うような歌もたくさんあると思う。ブライアン・アダムスの18 till I dieなんて典型だ。死ぬまで18歳だぜというわけだから。ブルーハーツでも、似たような感じの歌を歌っていた気がする。

 奥田民生もアンビバレントで、一方で若さを示すような曲もあった。イージューライダーとか、それからさすらいなんて曲もこの頃だろうと思う。その他にもいろいろ曲が入っていたが、あんまり思い出すこともない。奥田民生でO.T.だからということで、○の中に+が入ったマークが書かれていたのを覚えている。単純だけど、なるほどねぇと思って真似してみた記憶がある。僕の場合にはうまく組み合わせられなかった。