野村直樹『やさしいベイトソン―コミュニケーション理論を学ぼう!』金剛出版、2008。
前回に引き続きベイトソンを学ぶ。備忘録がてら。
こちらはベイトソンといえばというテーマ、ダブルバインドを中心に取り扱っている。「自主性を発揮せよ」という言葉のダブルバインド性は、病気の原因にもなれば、新しい可能性を切り開く転換点でもある。禅の問答に共通するというが、大事なところだろう。
サイバネティクスのフィードバックについても言及がある。てっきり機械的な話から議論が始まったのかと思っていたが、ベイトソンの場合、その仕組みをバリの文化人類学的調査などからひっぱりだしていったようだ。人間関係が加熱しクライマックスに近づくことを避けるメカニズムがある。なるほど。
なんにせよ、ベイトソンに少しだけ詳しくなった感はある。奥さんがミードだということも初めて知った。