「私に与えてくれたまえ、私がお願いしたいのは--何なのか?何なのか?それを言いたまえ!--もう一つの仮面を!第二の仮面を!」
Nietzsche, F.(1887), ZUR GENEALOGIE DER MORAL,邦訳295頁。(木場深定訳『道徳の系譜』岩波文庫、1964)
どこかで記録していたのだが、何処に残っているのかわからなくなっていた言葉を見つけた。『この人を見よ』の一部だとばかり思い込んでいたが、『道徳の系譜』だったか。どうりでみつからなかったはずだ。これで合っているかどうか改めて確認し直そうと思うが、ひとまずなくしてしまう前にこちらに。
しかし今この文だけみるとよくわからなくなるのだが、「私」とは誰だったのだろうか。それこそが、仮面ではないだろうか。Es denktだったはずだから。もし、私がいたとすれば、それは「私」の方ではなくて、「お願いしたい」の方だったことになるだろう。