いろいろやろうぜ
AIはその後のドラクエにも搭載され続けるが、そうそうに「めいれいさせろ」というコマンドが追加されることになった。これはAIを使わずに自分で操作するというわけだから、ドラクエ側でもAIの限界を認めたことになる。
「めいれいさせろ」をふくめ、AIにはいくつかのルーチンが用意されていた。通常時は「みんながんばれ」、MP消費お構いなしでいくときは「がんがんいこうぜ」、それからダンジョンなど遠出する場合には「じゅもんをつかうな」といったいくつかの選択肢があった。
通常は「じゅもんをつかうな」か「いのちをだいじに」にしていた気がする。ところがあるとき、何かの雑誌で「いろいろやろうぜ」を使っているとAIが学習するという記事を読んだ。それまで、いろいろやろうぜはほとんど使ったことがなかったのだが、なるほどと思って使うようになった。
たしかに、いろいろやってはくれる。けれども、学習はしない。よくわからないけれど、やった結果が蓄積されるという機能はほとんどなかったのではないかと思う。とにかくザラキを使うという暴挙しか記憶にないが。
それからいろいろやろうぜが推奨されていたのは、まさに特殊キャラであるはぐれメタル戦だった。はぐれメタルは防御力が異常に高く、基本的に1ポイントしか与えられないか、ノーダメージである。そのくせ逃げ足が早いので、なかなか倒すことができない。このさい、聖水を道具で使うと、確実に1ポイントダメージを与えることができた。
いろいろやろうぜにしておくと、聖水を使ってくれる可能性がある。確実に1ポイントあててほしいのである。ところが、やっぱり学習しない。聖水を使ってほしいのに、別のことをする。さらに、そもそもはぐれメタルを攻撃せずに他の雑魚に攻撃を仕掛けたりする。ルーチンに「はぐれメタルをたおせ」も入れておいてほしかった。