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2012年8月13日月曜日

われらゲームの世代38

ウィザードリィ

しかしこの手の「しらべる」系で一番大変だったのは、ウィザードリィというゲームだろう。ウィザードリィは、元祖RPGとも言われる最も初期からあったRPGである。立体ダンジョンをとにかく歩き回るというゲームであり、その仕組みは、直接的には女神転生に引き継がれている。どことなくゲームのダークな雰囲気も似ているかもしれない。

最初の頃のウィザードリィは、マップがシンプルな輪郭だけで描かれていた。どれが壁なのかよくわからなかったりする。にもかかわらず、壁を調べないと隠し扉がみつからないのだ。ある程度能力が高かったりすると、「壁に何かある」といったヒントコメントが出るには出るのだが、正直極悪である。

さらに始末の悪いことに、隠し扉が見つかっても、それが大事かどうかが分からない。なにやらたくさん扉が見つかるような場所もあるのだが、単にぐるぐると回って元に戻るだけという場合も少なくない。この点、ドラクエは良心的であり、「しらべる」コマンドによる発見物の重要度は高かった。

ウィザードリィも、僕は自分ではもっていなかった。中学生の頃、部活の友達からウィザードリィ2と3を同時に借りて遊んだ。例のごとく、というか、このところにはずいぶんとゲーム能力が上がっていたはずだが、クリアできなかった。いや、正確にいえば、ウィザードリィには終わりがない。エンディングもマルチエンディングもなく、延々と宝探しがつづくのである。形式的なクリアだけならば、レベルが20位の頃には達成できてしまう。けれども、そこからが本番だ。レベルを100に、200に、300に上げていくのである。

ウィザードリィの難易度の高さは折り紙付きだった。まず、当時はオートセーブという仕組みが採用されており、万が一死んでしまった場合、ぱっとリセットしてやり直すということができなかった。死んだら死んだままである。しかも、ドラクエの様にお金が半分になるけれど本拠地にもどって「死んでしまうとはなさけない!」と言われるわけでもない。死んでしまえば、そのままダンジョンに放置されるのだった。

死体を拾いにいかねばならない。せっかく育てたキャラクターはもちろん、せっかく手に入れた武器や防具、財産が捨て置かれたままになっているからである。そのためには、新しいキャラクターを作成し、その場所にまでいけるレベルに上げ直し、そして、救出に向かう必要があった。けれども、時間がかかりすぎてしまうと、死体はモンスターによって荒らされて本当になくなってしまう(という設定だった気がする)。一回一回の戦いが、深層部に行けば行くほどリアルだった。

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