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2012年8月10日金曜日

われらゲームの世代37

「しらべる」

さて。ドラクエ2の実際の中身というと、もはや覚えていないところも多いのだが、「炎の剣」なるものをずいぶんと探しまわったような記憶がある。多分、これはドラクエ2最強の武器であり、ハーゴンの城に至る途中の洞窟の中にある。見つかってしまえばなんということはなく、普通に宝箱に入っているのだが、これが僕は見つけられなかった。

友達に聞いてみても、どこにあるのかよくわからない。話によると、隠しアイテムのようなものでそう簡単には見つからないらしい。洞窟の中で一歩一歩「しらべる」コマンドを押してまわった。今思えば何とも暇なことをしていたものだ。

「しらべる」コマンドは、考えてみるとずいぶんと変なコマンドだ。普通ならば通り過ぎてしまうようなところであえて「しらべる」と、隠しアイテムが見つかったり隠し扉が見つかったりする。ゲームの謎解きに花を添えることになるわけだが、ヒントがないと大変な作業になってしまう。場合によっては、広大なマップをローラー作戦などということにもなりかねない。

そもそも、ゲーム自体が架空の空間なのに、その中にさらに隠された何かがあるというのは変な気もする。まるで、すべてが嘘であることがわかっているのに、その中に真実を見出そうとするようなものだ。バーチャルな壁に、さらにバーチャルな隠し扉がある。

この手の作業は、しかし、何度もしたような気がする。初代ドラクエでも、フィールド上の毒の沼地にロトの紋章かなにかが落ちていた。ちゃんと進めていけば場所が特定できるのだが(王女の愛がいるのだったか)、まあそう簡単には進まないし、2回目などとなると、大体の場所は分かっているのだから一気に探してしまおうということになる。で、後悔するわけだ。

ドラクエ3あたりになると、今度はこうした「しらべる」コマンドを逆手に取って、何もないようなフィールドでもランダムにお金が見つかったりするとか(はした金ではある)、そんな仕様にもなってきた。それはそれで面白かったが、やっぱり迷惑な仕組みでもあった。

書いていて思い出したが、以前紹介した光栄のシミュレーションゲーム大航海時代でも同じことがあった。2回目以降はすでに調べるべきポイントがわかっているので、その辺りを調べて強いアイテムを先に取り出せてしまう。ちゃんと記録さえしおけば、あるいは最近のネット時代であれば、簡単にチートができる。

ゲームの面白みを半減しかねないので、メーカーもやがて対抗策を立てるようになった。ちゃんと特定フラグを立てておかないと、そこを調べても何も見つからないようにしたのである。こうなると、闇雲に調べても何も見つからない。「しらべる」が洗練されていったということだろう。

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