2012年7月11日水曜日
教養としてのゲーム史
多根清史『教養としてのゲーム史 (ちくま新書)』、2011。
「ゲームの世代」を書く中で、期せずして面白い本を見つけた。時代は流れたものだ。ゲーム史が一つの教養となり始めている。全く同感である。ゲームを知らないような奴とは一緒にやっていけない。
本書を通じていくつか発見があった。この点は、「ゲームの世代」に調整を必要とするだろう。一つは、マリオブラザーズについての理解で、このゲームは既に最初から協力と対立の2つの選択肢が用意されていたようだ。知らぬは説明書など読めない僕の世代の問題だった。
もう一つは、ドラクエをその前のウィザードリィやウルティマと比べることによって、自由度の低い(一本道の)RPGとして捉えているという点である。なるほど、言われてみればまさにその通りであり、後々この問題がマルチエンディングや遊び方は多様、と言った展開を見せるのであった。
実に興味深い内容だが、実はもう一つ面白いと感じたのは、著者との年齢のずれである。おおよそ10年著者の方が早く生まれている。だからこそ、本書は業務用ゲーム機の時代から始まることになる。これに対して、僕はゲームセンターでゲームをしていた世代ではない。むしろ逆に、テレビゲームから入り、やがて人によっては、ゲームセンターで格闘ゲームをするようになった。この10年の違いは大きい。ゲームの世界が、まさに歴史として、急激に進展していったということだろう。
信長の野望・全国版の画像や、ダービースタリオンの画像など、ゲームの画像があまりにも懐かしい。僕の興味は、この懐かしさを問い直すことにある。ちくまで本にしてくれないだろうか(ソフトバンク新書でも!)。